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細胞診断トレーニング(細胞検査士養成)コース

“細胞診断が実際にできる”ようになることを目指して、同コースを開設致しました。

修士学生は細胞診断学1,2、細胞診断学実習を受講することにより、同コースに参加できます。

細胞診断を学びたい学部学生、本学卒業生も参加可能です。興味のある方はご連絡下さい。

病院、検査センター等で勤務する臨床検査技師の方で希望する方は相談に応じます。

細胞診断とは

細胞診断は、病院の病理診断を行う部署で行われる診断法で、細胞の形態をみて、診断を推定する作業です。その仕事をしているのが細胞検査士です。細胞検査士は、日本臨床細胞学会等が認定する試験により得られる資格です。受験資格は、臨床検査技師として病理・血液・尿検査などの形態学的検査の実務に1年以上の従事した者、細胞検査士養成所あるいは養成コースのある大学の卒業、卒業見込み者が受けることができます。この試験の合格率は毎年25-35%程度と決して容易ではありませんが、病院で細胞診断を行う上で必須の資格とされています。

他の養成機関との比較すると

4年生大学、大学院、養成所等で行われる細胞検査士のカリキュラムは総計で900時間を越えます。この時間数は、大学のカリキュラムの1学年分をすべて割り当てるのに匹敵する分量です。細胞検査士の合格率は上述したように低いのですが内訳をみると、こうした養成機関を卒業した学生の合格率は高く一般病院や独学で受験する方の合格率が低いというのが実情です。

一方で私たちが正規に提供するBasicプログラムは週1コマ通年(60時間)、2年受講しても120時間で、はるかに及びません。細胞診断学実習に参加しても、まだ歴然とした差があります。この時間差を克服するには学生側としてはいかに、能動的に標本と取り組む時間を作るか。教える側としては、いかに、テクニック、知識を適切に教えるかはもちろん重要ですが、上達する面白さを実感してもらえるかが一番であると思っています。

細胞診断は、細胞の形態をみて、診断を推定する作業です。そこには、細胞の観察の仕方、病理学的な知識といった技術、知識の両方が必要で、それらがうまくかみ合い、分からなかったものが、分かるようになる。技術の向上は直線的ではなく、段階的で、日々の努力の末ある日突然開眼する。そういった意味で、スポーツに似た側面があります。細胞診断のトレーニングの過程で上達する面白さを実感してもらえれば、指導側の目的の半分は達成できたといってよいでしょう。

細胞診断は、しかし、スポーツとは決定的に異なる面があります。それは診断には責任が伴うことです。私たちは決して娯楽を提供するつもりはありません。誤解のないように、このことを付け加えます。

本大学院における細胞診断トレーニングコースの位置づけ

ここ京都大学において、大学院は研究を主体としたもので、決してこれを疎かにしてはいけません。細胞診断のトレーニングは、課外クラブ活動のような位置づけとしてとらえてほしいと思います。

実際の運営も課外クラブ活動のようなものを想定しています。つまり学生は、各研究室で本業の研究に取り組みつつ、時間をみて細胞診断のトレーニングを各自行う必要があります。私達はトレーニング室を用意します。そこにはトレーニング機器(顕微鏡、標本、書籍、トレーニング用コンピューター)を設置しサポートします。週に一度の全体練習で、テクニカル面、知識面の補強を行います。

細胞診断トレーニングコースは大学院生を対象にしています。研究室の所属は病理学教室でなくても結構です。また、細胞診断を学びたい学部学生、本学卒業生にも門戸を開きたいと思っています。

がん診断の担い手ー細胞検査士(外部リンク)

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