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口腔領域の形成

口腔、咽頭、上気道

上気道とは、鼻腔、咽頭、喉頭をまとめて示す名称である。鼻腔はCS13で鼻窩と呼ばれる顔表面のくぼみとして現れる。CS17~18頃に内側鼻突起の癒合部分から内側口蓋突起が隆起し、内方へ伸びる。これは一次口蓋と呼ばれている。その後、CS19になると一対の外側口蓋突起が伸び、正中で癒合して二次口蓋を形成する。これにより鼻腔は後方に伸び、咽頭とつながる(1,2)。口腔も鼻腔と同様口窩と呼ばれる顔表面のくぼみが内側へ拡大することで形成される。咽頭は前腸に由来し、CS11で口腔と咽頭を隔てる口咽頭膜が破れることによって口腔と咽頭がつながる。咽頭には咽頭嚢と呼ばれる袋状の構造があり、耳管をはじめ頭頸部の様々な器官に分化する。喉頭は、咽頭域の最後端から腹側に突出して形成された呼吸憩室と第4、第6咽頭弓を原基として形成される(3)。

口蓋の発生

成人では口腔と鼻腔は口蓋 (軟口蓋、硬口蓋) により仕切られているが (Richard, 2016)、胚子期ではまだ分離しておらず口鼻腔と呼ばれる (Geoffrey, 1992)。口鼻腔領域は口腔、鼻腔という腔とそれを形成する上顎、下顎、舌などの組織により構成される。

口腔と鼻腔を隔てる口蓋は、一次口蓋を形成する内側口蓋突起と二次口蓋を形成する外側口蓋突起の2つの口蓋原基が起源である (James, 1999)。カーネギー発生段階 (CS) 17ごろに内側口蓋突起は上顎突起の間から発生し、外側口蓋突起は上顎突起の内側端から発生する。外側口蓋突起は内方へ、ついで舌の両側を下方もしくは垂直方向に成長する (Diewert, 1985, James, 1999)。外側口蓋突起は初めに内側方向、次いで舌の両側を下方に成長する (James, 1999)。CS23には外側口蓋突起が舌の上に移動する口蓋突起挙上が起こり、口蓋突起が水平位になった後、正中線で二次口蓋の癒合が起こる (Diewert, 1985, James, 1999)。

メッケル軟骨の発生

メッケル軟骨は下顎骨の発生の基盤として知られCS16に発生し、成長につれ軟骨組織は消滅する(Geoffrey, 1992, Orliaguet, 1994)。口蓋挙上時には前後方向への長さが増加し口鼻腔領域の形成に重要な役割を果たすと考えられている(Diewert, 1983)。

 

 

 

翼突鈎

内側板の下端でフック状に突出する

CS20に間葉凝集する

(De la Cuadra Blanco, C, Peces Peña, M. D, 2012)