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大賀さんの卒業論文がCongenital Anomaliesに受諾

大賀さんの卒業研究がCongenital Anomaliesに受諾されました。胚子期後期(CS21前後)にみられる後頚部浮腫について、リンパ管の形成との関連性を論じました。

Ayako Ohga, Rino Sakamoto, Shigehito Yamada, Tetsuya Takakuwa, Vesicular swelling in the cervical region with lymph sac formation in human embryos

長田さん、八田くんの卒業論文がJ Anatomy に掲載

長田さん、八田くんの卒業論文がJournal of Anatomy に掲載されました。

ヒトの消化管は一時的に臍帯内に脱出しCRL40 mmころ、突然還納します(生理的ヘルニア)。生理的ヘルニアの脱出については論文がある程度ありますが、還納過程については研究がほとんどなく、不明な点が多くありました。今回の解析では、消化管は腹腔内に手繰り寄せられるのではなく、むしろ腹壁がもちあがり消化管を包む”wrapping”が起きていることを示しました。

Nagata A, Hatta S, Ji X, Ishikawa A, Sakamoto R, Yamada S, Imai H, Matsuda T, Takakuwa T. Return of the intestinal loop to the abdominal coelom after physiological umbilical herniation in the early fetal period. J Anat, 2019, 234, 456-464.

2018年度;修士論文概要

*修士論文発表会は2/8(金) 14:00から杉浦ホールで行われました。
Morphogenesis of the femur at different stages of normal human development
ヒト胎児期初期における大腿骨の形態形成の解析

鈴木裕子

【背景】大腿骨の発生はCarnegie Stage(CS)13頃に始まる。CS17では大腿骨の軟骨化、CS22~23の間には軟骨内骨化が始まる。発生段階における研究は形態形成の肉眼観察、組織学的検討や簡単な計測が主であり、3次元的な形態形成の検討は十分には行われていない。

【対象と方法】京都大学大学院医学研究科附属先天異常標本解析センター所有のヒト胚子、胎児期初期標本の立体情報計62例(位相CT;8例、MRI;54例)を対象とした。対象の内訳は、胚子標本がCS18~23、胎児期初期標本が頭殿長(CRL)=37.2~185mmであった。画像情報をもとに大腿骨の立体像を作成し、1)3次元的な形態学的検討、2)位相CT・MR画像を用いた大腿骨内部の分化成長過程(軟骨内骨化過程と軟骨管の形成)の検討、3)形態計測学的検討を行った。形態計測学的検討では、プロクラステス解析、主成分分析も行った。

【結果】1) 形態学的検討:CS18でこん棒状だった大腿骨は、CS20で遠位骨端が顆間窩によって外顆と内顆に隔てられ、近位骨端は大腿骨頭と大転子の形がはっきりし始めた。CS23になると小転子が形成された。胎児期初期では、CRL40mm頃までに大腿骨頭窩が形成され、転子窩もはっきりとした。顆状突起はCRL48mm頃から丸い形状から角を持った形状へと変化していった。

2)大腿骨内部の分化成長過程の検討:大腿骨の骨幹における骨梁の形成はCRL40mmで初めて観察された。骨化が始まると骨幹の中心部は高信号を示し、骨化が進むにつれ低信号を示すようになった。肥大化した軟骨細胞は高信号、骨梁の形成が始まると低信号を示した。骨化は大腿骨の骨幹中心部から両骨端に向かって広がっていった。軟骨管はCRL62mmで近位骨端に、CRL75mmでは遠位骨端で初めて観察された。

3)形態計測学的検討; i) 定量的検討:大腿骨の長さと骨化部分の長さはともにCRLと強い正の相関を示した(R2 = 0.96, 0.95)。捻転角は胎児期初期の間変化し続けたが、頚体角と傾斜度は骨化の開始前後に角度の変化が見られたものの、その後は値が安定していた。捻転角は骨化前から骨化部分の長さが5-10mmになるまで減少し、その後値が増加して24.9°となった。頚体角は骨化開始後に減少し、130°付近に収束した。傾斜度は骨化開始後に増加し、5°付近に収束した。ii) プロクラステス解析、主成分分析では、近位骨端は骨頭のセミランドマークの位置の変化が最も大きかった。近位骨端の第一主成分は骨頭のセミランドマークの変化の影響を受けていた。

【結論】胚子期、胎児期初期の大腿骨立体像を作成し、分化・成長に伴う3次元的な形態学的変化や内部の骨化に伴う画像の変化を定量的に明らかにした。本研究で得られた知見は大腿骨の正常発生の理解を深めるとともに、骨形成不全等の異常個体の解析、診断に応用できる可能性がある。

Myocardial fiber histogenesis during human early fetal period using diffusion tensor magnetic resonance imaging(DT-MRI)
高解像度MRIDTI)を用いたヒト胎児期初期の心筋線維の形成

西谷早織

【背景】ヒトの心臓発生は、受精後3週頃に前胸部に1本の管状の原始心筒が形成され、心拍が開始する。また、ルーピングと言われる過程を経て2心房2心室が形成され、成人心臓の構造へと発生する。心臓発生を理解するためには、形態解剖に加え、発生の各ステージでの心筋の発生・発達や、心筋の走行を理解することが重要であると考える。近年、MRI等の撮像技術は飛躍的に進歩し、標本を非破壊に保ったまま高解像度の情報を取得することが可能になっている。また、拡散テンソル解析を行うことにより、拡散異方性の程度を定量的に測定し、線維方向を確認することが可能である。現在これらの技術を用い、ヒト成人の左室壁の心筋線維の構造について研究がなされている一方、胎児期初期についての研究は多くはなされていない。ヒトの心臓拍動は胎児期初期から開始しているため、この時期から左心筋は方向性を持つと考えられ、拡散異方性の原理を適応し心筋走行の解析が可能であると考えた。そこで今回は、ヒト胎児標本のT1強調画像と拡散強調画像(DWI)を撮像し、得られた画像を基に胎児期初期における形態学的観察と左室の心筋線維の構造を明らかにすることとした。

【対象と方法】京都大学大学院医学研究科附属先天異常標本解析センターが保有するヒト胎児標本計15例を対象とした。うち6例は胎児から摘出した心臓、9例は胎児中にある心臓を解析に用いた。高解像度MRI撮像を行って取得したMR画像をもとに心臓部分の立体化をして再構築を行い、形態学的特徴を観察した。また、DWデータをもとにHelix angle (HA) と呼ばれる心筋線維の方向性を評価する指標として用いられる値を計測し、心筋線維が心臓横断面となす角度が内膜側から外膜側にかけて如何に変化するかを観察した。

【結果】取得したMR画像では、左右の内腔を確認することができ、左室壁と中隔の厚みはほぼ均一であることがわかった。また、MR画像をもとに心臓部分の立体化を行うことで解剖学的特徴を再現することができた。さらに、Helix angle (HA) を計測すると、左室の内膜側から外膜側にかけてプラスの値からマイナスの値へ滑らかに変化する様子が観察でき、その傾向はCRL 23 mmの小さな標本においても観察された。このHelix angle (HA) の最大値と最小値を計測してその差を算出することで、内膜側と外膜側の心筋線維がなす角度を計測した。この角度はCRLの増加に伴って増加することが前壁と中隔において示され、胎児期において心筋線維の構造が徐々に成人心臓の構造へと変化していく様子が示唆された。

【結論】本研究では、高解像度MRIを用いることで、ヒト胎児期初期の胎児中にある心臓のMR画像を取得することをも可能にし、その画像を用いて三次元立体像を再構築することで形態学的特徴の変化を評価することができた。また、心筋線維が心臓横断面となす角度が内膜側から外膜側にかけて滑らかに変化することが、先行研究で示されているよりも若い時期の胎児において示されたことは本研究における最も新規的な部分であると言える。この滑らかな変化が出来始めるのはより若いステージであると考えられるため、今後、より発生時期の若い心臓についてのMR画像を取得することに成功すれば、ヒト心臓の発生についてより詳細に解明できると期待される。

石山さんの修論がPLoS Oneに掲載

石山さんの修論がPLOS ONEに受諾、掲載されました。ヒト腎臓(後腎)における尿集合管系の形成過程を明らかにし実験動物(マウス)との差異を論じました。

34. Ishiyama H, Ishikawa A, Kitazawa H, Fujii S, Matsubayashi J, Yamada S, Takakuwa T, Branching morphogenesis of the urinary collecting system in the human embryonic metanephros, PLoS ONE 13(9): e0203623. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0203623

古市さんの卒論がAnat Recに掲載

古市さんの卒論がAnat Recに掲載されました。

胚子期の終わりには脳血管動態に重要な構造であるWillis輪はほぼ完成していること、成人では多くみられるWillis 輪のvariationが、すでにこの時期に存在していることを示しました。

Furuichi K, Ishikawa A, Uwabe C, Makishima H, Yamada S, Takakuwa T,
Variations of the circle of Willis at the end of the human embryonic period,  2018, 301, 1312-1319, doi:10.1002/ar.23794

石川さんの論文がAnat Recに掲載

石川さんの論文がAnatmial Recordに掲載されました。

内耳のうち膜迷路、骨迷路の間にあるperiotic spaceの形成に着眼したユニークな論文です。図が表紙に採用されました!!

Ishikawa A, Ohtsuki S, Yamada S, Uwabe C, Imai H, Matsuda T, Takakuwa T. Formation of the periotic space during the early fetal period in humans, Anat Rec, 2018, 301(4);563-570, 10.1002/ar.23764, 10.1002/ar.23657

 

2017年度; 修士論文発表会が行われました

2017年度; 修士論文発表会が行われました(2018.0207; 杉浦ホール)

ヒト胚子期における腎盂形成の三次元的解析 石山 華

【背景】腎盂の発生はCarnegie Stage(CS)14頃に始まる。この発生過程については、組織切片を用いた平面的な研究が主であり、CSに沿った報告としてShikinamiの報告がある。
【対象と方法】京都大学大学院医学研究科附属先天異常標本解析センター所有のヒト胚子標本の連続組織切片計50個体(CS14~23)をバーチャルスライド化したものを用いて得られた立体情報を対象とした。用いた標本は全て明らかな外表奇形、腎臓の異常を伴っていない。CS分類に従った分化・成長について、1)形態学的検討、2)尿路上皮の組織学的検討、3)定量的検討、の三点について検討した。さらにCS23において確認された腎盤の拡張についての検討や腎盂樹状構造における枝の偏りについての検討を行った。
【結果】A)CS14-CS23間の分化・成長
1)形態学的検討:CS14で尿管芽の周りに造後腎芽体が発生した。その後腎盂の頭側は側方方向へ伸長していったが、CS19から腎盂頭側は正中方向へ伸長した。
2) 組織学的検討:腎盂上皮は、円柱状で核は重層状だった。腎盤部では、CS14、15では核は基底膜側に偏り、CS18以降では核は管腔側に偏っていた。腎杯部では、CS19では核の偏りがなかったが、CS20以降では核は管腔側に偏っていた。
3) 定量的検討:CSの進行に従って、最大分岐次数、腎臓の頭尾長、腎臓総体積、腎盂体積が大きくなっていた。最大分岐次数は12まで見られた。また、腎臓総体積、腎盂体積はCS22から23にかけて急激に大きくなり、CS23では個体差が大きかった。
B)CS23における腎盤の拡張についての検討
1)形態学的検討:CS23で非拡張群は6例、拡張群は4例見られた。拡張群では分岐次数が低い腎盂の拡張が見られたが、非拡張群では拡張がなかった。
2) 組織学的検討:腎盤部、腎杯部ともに、非拡張群では腎盂上皮は円柱状で核は重層状だったが、拡張群では上皮は立方状で核は不規則な単層だった。
3) 定量的検討:腎盂体積、腎臓総体積、腎実質体積、腎臓総体積に対する腎盂体積の比率の4点では拡張群のほうが非拡張群より大きく、腎臓総体積に対する腎実質体積の比率では非拡張群のほうが拡張群より大きく、いずれもで非拡張群と拡張群について有意な差が認められた。腎臓頭尾長、最大分岐次数では拡張群のほうが非拡張群より大きかったが、非拡張群と拡張群で統計学的に有意な差が認められなかった。
C)腎盂樹状構造における枝の偏りについての検討:上極部、下極部と中央部の末端分岐次数(これ以上分岐していない腎盂の分岐次数)は上極部、下極部のほうが中央部より大きく、統計学的に有意な差があることが確認できた。
【結論】 本研究では、ヒト胚子期で正常と判断された個体の連続組織切片のバーチャルスライド画像を用いて腎臓・腎盂の立体像を作製し、CSの進行に従った腎盂の形態学的、組織学的、定量的検討について明らかにした。特に、太い腎盤部の拡張がCS23で顕著に認められ、拡張によって腎盂上皮の組織像が大きく変化していた。また、腎盂の二又分岐が12回みられたことから、胚子期において腎盂樹状構造の基本構造がほぼ形成されるということが明らかになった

大槻さんの卒論がAnat Recに掲載

大槻さんの卒論(胎児期の中耳の形成)が The  Anatomical Recordに掲載されました。

中耳の耳小骨が骨化する過程、鼓室という空隙で覆われていく様子が立体的に示されました。

Morphogenesis of the middle ear during fetal development as observed via magnetic resonance imaging
Ohtsuki S, Ishikawa A, Yamada S, Imai H, Matsuda T, Takakuwa T, Anat Rec 2017, in press