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研究の概要

精子と卵が受精することでヒトの発生は始まり、受精後38週で生まれます。そのうち3-9週は器官を形成する重要な時期で、胚子期とも呼ばれます。わずか数週間の間に胚子はダイナミックな変化を遂げ、ヒトらしい形態となります。また、この時期はさまざまな異常発生をおこす危険性がある臨界期でもあり、先天異常の研究にとって重要な時期といえます。胎児期では、様々な先天異常が顕在する時期です。胚子期・胎児期の研究は20世紀初頭から行われ多くの知見がありますが、記載がアナログで定量数値化されていないこと、少ない個体観察結果を全体に広げていること、わかりやすさを優先して実際から乖離しがちなこと、受精時期が確定しずらいことから、発生時期があいまいなこと、大きな個体(胎児期初期以降)の全体的な知見が乏しいことなどの課題が残っています。イメージング技術を応用してヒト胚子、胎児の少数を可視化し、教育、博物館展示等に用いることはこれまでも行われていますが、私たちは、最新の高解像度MRI, CT等を用いて高品質の胚子胎児を大量に撮像し ‘見える化’を進めています。すなわち、研究対象として展開し、従来の知見に対して再検証、検討を加えています。イメージングデータは3次元的に精確に表現できること、PC上で多くの個体を扱えること、定量性をもたせられること、空間座標数値化でき、数理的解析が可能など多くの特長があり、古典的なヒト形態形成学では成し得なかったことを可能になりました。われわれの成果として下記のようなものが挙げられます。

1 形態形成中の諸器官の“うごき”、“成長“の定量化

2 胚子期の形態形成時期の特定、精度向上

3 発展的な解析を進め、諸器官の既存モデルの再検討と新規モデル提唱

4 胎児期初期の新規所見の提唱

先天異常標本解析センターが所有する胚子、胎児標本、組織標本、MRIデータ等の画像データ、疫学データの使用については医の倫理委員会で承認されています(E986, R0316, R0989)。

DTI-MRI撮像データを用いたヒト胎児期初期の研究(島根大学医学部と共同)は医の倫理委員会で承認されています(R2224)