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拡散テンソルイメージング (DTI-MRI)

MRIの撮像技術は飛躍的に進歩し、標本を非破壊的に保ったまま高解像度の情報を取得することが可能になっています。

これは水分子の拡散のしやすさを表す図です。線維と並行方向には★水分子は拡散しやすく、線維と垂直方向には★拡散しにくい性質があります。このような性質を利用し、関心領域に存在する水分子の拡散情報を取得することで、そこから関心領域の線維方向を連続的に推定でき、またそれを可視化することができます。

–拡散強調画像(DWI)とは、MRI画像の一種で、水分子の拡散効果を(拡散係数の違いを)画像コントラストに反映した画像

–拡散強調画像の撮像では、動きを検出するための傾斜地場を印加するが、この傾斜磁場の方向を変えて複数枚撮像した画像を用いて拡散異方性を表した画像を拡散テンソル画像(DTI)という

拡散の異方性(diffusion anisotropy)とは方向によって拡散の速さが異な るという性質のことであり、拡散の異方性を表現するのにテンソルが用いられる。FA は代表的な異方性の強さの指標であり、0 か ら 1 までの値をとる。拡散が等方的であるとき、FA は最小値 0 となり、異方性が強くなるに従って FA は大きくなり、異方性が非常に強いとき FA は 1 と なる。FA map では 1 に近いほど高信号として描出 される。

これをグレースケール画像で表したものをFA マップといい、水分子の自由度の高い白質は白く、脳先髄液などの自由度の低い部分は黒くあらわされるのが特徴です。

異方性拡散の強く生じている方向を、左右方向、前後方向、頭尾方向をそれぞれ赤緑青で表すのがカラーマップで、

これをもとに神経線維束の描出が可能となります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

DTIの原理

 

 

 

ある領域に神経追跡の開始点を任意の大きさのROIとして設定し,そのROI内における 固有値(λ1, λ2, λ3)と固有ベクトル(e1, e2, e3)を計算する(図 5(a)).これにより,ROI内の拡散テンソルの方向が決定 され,最大となる方向(e1)に沿って追跡を開始する.次に, その進行方向(e1)において遭遇したボクセルで拡散テンソ ル(各固有値と各固有ベクトル)を計算する.この過程を 繰り返し,次々と神経追跡が行われることにより,三次元 的に構築されたDTTを得ることができる.一方,連続性 がないボクセルに遭遇した場合には,神経追跡は終了する.

たとえば,等方性拡散により拡散テンソルの形状が球形と なった場合(図5(b))や異方性拡散により拡散テンソルの 形状は楕円体を示すが進行方向が急に変化する場合(図 5(c))などが挙げられる.