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細胞治療を担う医療人の育成 -細胞育成士養成プロジェクト-

細胞治療とは、ヒトの細胞を輸注、移植することによって行う治療法の総称であり、従来から行われている輸血治療を原型とし、造血器幹細胞移植、細胞移入免疫療法、遺伝子治療、再生医療などがこれに含まれます。こういった細胞をもちいる治療法の開発には従来の医薬品とは異なり細胞プロセッシングというヒト細胞の調製、培養、加工の行程が必要です。京都大学医学部附属病院では、品質が保証された細胞を供給し、探索的臨床試験研究の安全性と信頼性を高める必要性を予見し分子細胞治療センター(CTCC)を平成14年に開設しています。

この分野は今後、急速な拡大が見込めると思われます。例えば、本邦における幹細胞移植治療ヒト幹細胞指針によって認可されたものは現在7件ですが、潜在的には上記の届け出を行っていないものを含めるともっと多数あり、今後幹細胞移植は、今後増えると予想されます。そして、京都大学は間違いなくその中心的存在であります。

細胞治療を一般的医療に近づけるためには、1.細胞治療を実施する専門的知識をもった人材の養成、2.新たな医療機器の開発、3.安全性、有効性を評価する応用研究等、多方面でのアプローチが必要です。

われわれが描く「細胞育成士」は、細胞治療に使用する細胞の育成、管理が基本にありますが、単に細胞が培養できるというだけでなく、1.細胞治療の基礎知識、2.CPCの運営管理の考え方の理解と実践、3.安全な細胞の育成、調製法の理解と実践、さらには、4.細胞治療研究に必要な基礎技術の修得、5.細胞治療研究の実際といった、幅広い能力を有する人材であることを想定しています。

当プロジェクトでは将来の細胞治療を支えるべく、このような幅広い能力を持つ人材の育成を目指しています。

プロジェクト計画

●1年目ー入門編

講義、講演会による、知識の習得と啓蒙活動

細胞治療とは、細胞治療センターとは、その役割、法令

細胞治療の実際

学科内の修士学生、学部学生を対象に半期(13回)の講義、また全8回の公開講演会を行いました。細胞治療に実際に携わっている附属病院、細胞治療センターの多くの先生方の協力を頂きました。公開講演会は毎回30名以上の学生、教員が参加しています。

<細胞治療の最先端とそれを支える細胞治療センターの役割>ポスター.pdf

● 2年目ー応用編

細胞培養の実習、細胞品質検査管理実習、附属病院分子細胞治療センター, iPS細胞研究センターにおいて実習を行う。

● 3年目

細胞治療の研究チームに実際に入り、細胞培養の実際に携わったり研究を進める。

「細胞育成士」の学会での認定資格化をめざします。

 

本プロジェクトは、人間健康科学科の他、京大病院細胞治療センター、京大病院診療科の教職員の参加協力により成り立っています。

今後は、iPSセンターや関連企業とも連携して行く予定です。

将来の活躍が期待される分野

大学病院などの細胞治療センター、細胞治療に関わる企業、細胞バンク、行政(医薬品医療機器総合機構PMDAなど)などが挙げられます。

当プロジェクトは平成21年度厚生労働科学研究費補助金、医療技術実用化総合研究) 「再生医療実用化を促進するセルプロ セシングセンター運用のための人材育成プロジェクト」(平成21年度〜23年度)(代表 前川平)に採択されました。

細胞治療を担う医療人の育成 -細胞育成士養成プロジェクト-(産学連携シンポジウムポスターpdf)

 

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